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詩&詞



<1>

ある展覧会の一枚の絵に寄せて

薔薇



花びらの艶冶な重みに耐えて
薔薇たちは凛と佇む。

重なり合う花びらの
色濃い翳りの、深い想い・・・・・・。


壺は冷たい。

冷たく白い地肌の上に
無言でからまるマリンブルー。

かたくなに光るその肌に、
手を延べ、触れたら、
さぞ冷たかろう。


その右に広がる不思議な色は、
静謐と優美に満ちて、

しかし、見る者を
寄せつけはしない。

左下の、控えめな、
薄紫の影だけが、
言葉少なに叙情を語る。


ああ、
心惹かれる薄紫のその声音。

漂うのは薔薇の香り、

豊かに、
甘やかに・・・・・。




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20代前半くらいに、雑誌「一枚の絵」に掲載されたものです。
(本名は出さずペンネームで載りました。)
アルゲリッチ会見記の時の「ステレオ芸術」と違って、
こちらは原稿料ではなく、一枚の絵(小さな版画)を頂きました。
鎮西直秀さんの海の画でした
お洒落なプレゼントでしたね・・・・。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





<2>

浄められた夜

〜The Rurified Night〜



雪が降る 優しく
静けさの中で 世界は浄められてゆく

人の世の 悩みも 苦しみさえも
静かに埋め尽くす白い雪




この身の罪も過ちも 総てが浄められてゆく
優しく静かな白い雪

総てを許そう 総てを許してほしい
浄められた夜に 世界は生まれ変わる



過ぎた日の痛みも哀しみも 癒されて消えてゆく
果てなく空から降り続く雪

新しい自分を見つめて生きて行こう
白い雪の上を歩き始めよう




雪が降る 優しく
静けさの中で 世界は浄められてゆく







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
実はこの詞にはメロディーがあります。
J−POPっぽい作詞作曲をごく短期間やって、
それから、ピアノ曲を書くようになりました。
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