野谷恵ピアノリサイタル
〜演奏活動30周年記念〜
2008年12月8日(月) 札幌コンサートホール Kitara小ホール
〜 言葉のないものがたり 〜
ショパン:バラード第3番変イ長調 Op.47 リスト:忘れられたロマンス バラード 第2番 ロ短調
メラルティン:悲しみの園 Op.52 より "雨"
ラフマニノフ:幻想的小品 Op,3 より No.2 前奏曲 "鐘" No.4 道化師
前奏曲 ト長調 Op.32 No.5
楽興の時 Op.16 より No.3 ロ短調 No.4 ホ短調
音楽専門誌”音楽現代” 2009年2月号にて、ご好評を頂きました。
札幌を活動拠点に全日本クラシックコンサート、エレーナ・リヒテル国際ピアノコンクールなど
多数のコンクールに入賞を重ねている野谷恵が、演奏活動三十周年を記念するコンサートを開いた。
過去に左腕神経を患い、現在は突発性難聴というアクシデントを抱えながら、
野谷のピアノに対する真摯な姿勢がショパンやリストの作品を通して伝わった。
彼女のやさしい息づかいから生まれる柔らかで深みのある響きが奏出されたのが、
ショパン/バラード第三番とメラルティン/悲しみの園より《雨》。
特に後者は、力みのない淡い光のアルペジオにのせ、叙情豊かな旋律が心を和ませた。
全身全霊で弾ききったリスト/バラード第二番は、音楽の流れに戸惑いも感じたが、
鬼気迫る低音部の半音階進行が印象的。
ラフマニノフ/幻想的小品より前奏曲《鐘》は、雄渾なスケール感と律動感、
さらに強奏による和音の連打で展開されるロマンティシズムが、彼女の音楽に対する情熱を如実に物語っていた。
(八木幸三氏 〜 『音楽現代 2009年2月号』より)
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